学校教育と家庭知育

【体験談】「子供が発達障害かも?」と感じたら、親がやるべきこと5選(発達障害の診断が確定するまでの6ヶ月〜数年間)

発達障害の早期発見から診断までの過程で、親がするべきこと5選

⭐️ 記事ボリュームは14,677文字です。長文ですので、好きな項目から読んでください。あるいは、赤字部分を中心にサクッと斜め読みしていただいても結構です。それでもなお時間がない方は、冒頭の「はじめに」のチャプターの中の【結論・要約】のみを読んでください。

はじめに

 親が我が子の発達障害(ASD=自閉スペクトラム症・ADHD=注意欠如多動症・LD=学習障害)に気付くきっかけや状況には複数のパターンがあります。主に次の6つの要件によって、気づきのタイミングは異なります。


子供の年齢
家庭環境(親の発達障害に対する理解度や子供への接し方を含む)
子供の発達障害の種類
子供の発達障害の程度
子供の知的障害の有無と程度
親と教育機関(幼稚園・保育園・小学校)との交流の深さ


 例えば、子供が2〜5歳の乳幼児期に、親御さんが我が子と他の子供との発育の違いから「もしかすると我が子はASDまたはADHDまたは知的障害かもしれない」と疑念を持つことがあります。精神科医の岡田尊さんによると、発達障害に特徴的な症状の具体例は次の通りです。

・言葉がでない。
・視線を合わせない。
・声をかけても反応が薄い(笑わない)。
・こだわりが強い。
・癇癪がひどい。
・落ち着きがない。
・よく転んだり、ぶつかったりする。
・友人関係の構築ができない。

引用元: 発達障害のある子と家族に寄りそう安心サポートBOOK(幼児編) 岡田尊=著
「集団行動に同調できないADHD の女の子」イメージイラスト画像

 中でも、ASDとADHDが合併している場合や知的障害をともなう場合は上記の特性がより強く現れる傾向があります。もちろん、症状には個人差はあります。

 しかしながら、乳幼児の障害の程度が軽度である場合、親に「発達障害に関してある程度の知識」「子供の発達の変化に対する観察力」がないと障害に気づかないこともあります。
 また、「子供なんて幼少期はこんなもんさ」あるいは「男の子は女の子よりも発達が遅いから」なんていう先入観から「他の子供との違いに戸惑いながらも発達障害の可能性を発見する機会」を無意識のうちに排除してしまっている親御さんも多数います。

 実際、1歳半または3歳の定期健診保育園・幼稚園からの指摘で、「我が子は発達障害のかもしれない!」と初めて気づく親御さんもたくさんいらっしゃいます。

 一方、LD(読み書きや計算などの学習障害)の場合、小学校への就学後に授業についていけないなどの問題が表面化して初めて気が付くことが多いです。この場合も担任教師から指摘を受けて初めて気が付く親御さんも珍しくありません。

 いずれの場合も、専門我が子は発達障害の可能性があるとなったときは、親御さんは子供を連れての発達障害専門機関(発達障害者支援センター・児童福祉センター・保健センターなど)への相談を経て、医療機関に医師の診断(発達検査・知能検査などを含)を仰ぐことになります。

 ところが、この一連の過程で、親御さんにとっては「診断結果が出るまでに少なくとも3カ月以上もの長い期間が必要」という苛立たしい問題が発生します。
 障害の程度が軽い場合は、発達障害の診断には至らずに「しばらく様子をみましょう」というケースもあります。

 実際、私がこれまで見聞きしてきた発達障害児の事例において、親御さんが我が子の発達障害を疑ってから医師の正式診断を得るまで1年以上の期間がかかるケースが多いように思います。

 発達障害の疑いを持ってから診断が確定するまでの期間は、親御さんの不安が徐々に増大していきます。
 そもそも、親御さんは我が子の発達の遅れにショックを受けています。さらに、子供の癇癪や多動が頻繁に起こると、家族みんなの生活がたいへんしんどくて辛い毎日となります。

 本記事では、発達障害の医学的診断が確定する前段階、つまり「我が子が発達障害かも? と感じてから実際に発達障害の診断を受けるまでの期間」に親がとるべき行動の手順について、私自身の経験と反省を交えて最新情報を紹介します。

 
 本記事の【結論・要約】は次のとおりです。

● 「我が子の発達障かも?」と疑いを持ったら、自分だけで悩まずに、外部の関係者(幼稚園・保育園・小学校・保健センター・発達障害者支援センター・医療機関など)に相談することが重要

●病院での初診から正式な発達障害診断に至るまでに多大な時間(3~6カ月)がかかることが多い。また、障害の程度が軽く生活上の困り事が少ないと発達障害の診断に至らないケースもある。その間の子供へのケアと親御さんのメンタル維持が重要

● 発達障害の疑いを抱いてから発達障害の診断が下されるまでのプロセスやそれに携わる様々な教育機関や支援サービスなど教育・医療・行政に関する知識を具体的に身につけることが重要(まずはご自身の最寄りの施設や機関を確認すること)

●「我が子が発達障害かも?」と感じたら、まず最初に親は次の5つをするとよい。
① 発達障害の特性を正しく理解すること(初心者向けの本を2〜3冊読む!)
② 家庭・学校(幼稚園・保育園)・ご近所さんとの関係性における「子育ての困り事」を整理すること(紙に書き出すとよい)
③ 発達障害児の支援機関と支援サービス内容を調べること(早めに相談できるとベター)
④ 子供と触れ合う時間を十分に確保して良好な親子関係を作ること(ワークライフバランス調整と在宅ワークへの転身をオススメ)
⑤ 育児や家事において、父親はフィジカルとメンタルの両面で妻をサポートすること

 
 本記事で紹介する参考書および通信教育は、次のとおりです。

岡田尊(精神科医・医学博士・京都大学 医学部付属病院 精神科神経科 助教授)
・書籍「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(幼児編)」
・書籍「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(小学生編)」
⭐️ 上記2冊のBOOKセットは2022年4月1日新版発行ですから、最新情報が掲載されています。発達障害児の特性・子供ケア・家族サポートの3本柱が幼児と小学生に分けて編集されています。

河原紀子(臨床発達心理士・教育学博士・共立女子大学 家政学部 児童学科 教授)
・書籍「0歳から6歳 子どもの発達と保育の本」」
⭐️ 子供の定型発達の基準が年齢別にわかりやすく整理された本です。乳幼児健診の保健所用アンケート用紙も掲載

本田秀夫(精神科医・医学博士・信州大学 医学部 教授)
・書籍「子どもの発達障害 子育てで子育てで大切なこと、やってはいけないこと」

上野一彦(特別支援教育士スーパーバイザー・東京学芸大学 名誉教授)
・書籍「発達障害の子の保育 さいしょの一冊」
⭐️ 発達障害の特性とその対応策が対になって2ページごとに整理されているので、とてもわかりやすい。タイトルどおり、読むべき「さいしょの一冊」です。

● 通信教材
・生涯学習のユーキャン「子ども発達障がい支援アドバイザー(民間資格)」
⭐️ 発達障害児の療育やトラブル対応に関する基礎と実務を網羅的に学べます。テキストが非常にわかりやすく、受講期間は3カ月です。昨年度、私自身も受講して2カ月ほどで資格を取得できました。

⭐️ 本ページで紹介する物品またはサービスの品名(青字で表記)がその販売会社のサイトにリンクしていることがありますが、アフィリエイト広告は設定していませんのでご安心ください。

発達障害の疑いが見つかってから診断に至るまでに多大な時間を要するのはなぜか?

● 「我が子は発達障害かも?」と疑いを持ってから正式な医学的診断に至るまでの期間

 発達障害の程度や知的障害の有無によっても診断に至るまでの時間は異なりますが、極めて重篤な障害の場合を除くと、親が「我が子は発達障害かも?」と疑いを持ってから正式な医学的診断に至るまでには概ね1年以上かかります。

 その理由は次の3つです。


発達障害の疑いが見つかったときは、いきなり医療機関の受診ではなく、まずは発達障害者支援センターなどの専門機関に相談するところからのスタートになることが多い。

医療機関への初受診から発達障害の診断が確定するまでの期間として、3〜6ヶ月くらいかかることが多い。地域によっては、初診まで3カ月以上待ちというところもあります。

最終的に発達障害の診断は下されず、「発達障害の傾向がありますが軽度であるため、しばらく様子をみましょう」という結論になることがある。その場合、正式な発達障害の診断に至るまで、さらに数年の歳月を要することは珍しくない(我が息子はそうでした)。


 上記のとおり、親御さんが「我が子が発達障害かも? 」と感じたら、あるいは乳幼児の定期健診や幼稚園・保育園で発達障害の可能性を指摘されたら、まずは最寄りの専門機関(例:市役所の児童福祉課保健センター児童福祉センター発達障害者支援センターなど)に相談することが最初のアクションです。
 著しく重い障害が見受けられるような場合を除いて、いきなり医療機関の受診するケースはあまりありません。

 例えば、発達障害者支援センターに相談した場合、子供の発育上の問題点や困り事の聞き取りをしてもらいます。地域によっては、専門の相談員が配置されています。
 そのうえで、発達障害の可能性が高いと判断された場合は発達検査(例:新版K式発達検査)または知能検査(例:田中ビネー、WISC Ⅳ)を受けるか、小児精神科などの医療機関を受診することを勧められます。

 具体的には、発達検査または知能検査の結果と医師による診断を通じて、発達障害の診断が確定するまで通常6カ月くらいかかります(上記)。また、初診まで数カ月待たされることも珍しくありませんが、その場合は初診までの期間がさらに加算されます。
 もちろん、乳幼児において重篤なASDや知的障害の場合は、初受診から6カ月以内の短期間で診断が確定することはあります(上記)。

 一方、発達の遅れの程度が軽度またはグレーゾーンの幼児であれば、医学的診断基準(DSM-5)の全てを満たしていないことが多く、短期間で診断が確定することはありません(上記)。
 もちろん、医師の技量や考え方によっても多少の差はあるようです(本人の行動特性のみならず、それにともなう生活上の困りごとの程度が発達障害の診断基準になるので、医師の判断には多少の主観が入ります)。

● なぜ、医師による発達障害の診断確定に時間がかかるのか?

 医師による発達障害の診断確定に時間がかかる理由は、次の2点です。


A: 医師による問診の過程で、発達検査・知能検査が必要になりますが、通常は2−3カ月待ちになることが多い(医療機関の体制や人員がニーズに追いついていないため)。

B: 医師は発達障害の医学的診断基準(DSM-5)に基づき、複数回に分けて本人・親御さんへの問診および学校の担当教師(保育園・幼稚園の担当保育士を含む)への聞き取りを重ねる必要があり、診断確定まで数ヶ月程度かかることも珍しくない。


 よって、病院での初受診から医師による正式診断の結果が得られるまでの期間としては少なくとも3〜6カ月くらいが目処になりますが、発達障害の症状が軽度の場合は6ヶ月以上かかかることもザラにあります。
 しかしながら、その間にも子供はどんどん成長しますので、親御さんとしてはモヤモヤとした不安な毎日を過ごすことになります。

 ちなみに、私の息子の場合、5歳(幼稚園時)で発達検査・知能検査を受けた時は上記Aのパターンで3カ月以上の順番待ちでした。
 その後、小学校で数々のトラブルや困り事が生じた結果、正式に発達障害の診断が確定したのは8歳(小学3年時)でしたが、医師の診断が確定するまでは上記Bのケースのとおり6カ月ほどかかったと思います。

 私が自分自身の経験を振り返って痛感することは、上記 A B の状況下で「我が子が発達障害かも? と感じてから実際に発達障害の診断を受けるまでの期間、”学校おける教育支援体制と家庭環境” が子供の発育にとって極めて重要である」ということです。

 一方、幼少期の早い段階で発達障害の診断が下された場合、逆に我が子の発達障害の特性に応じた支援の計画が立てやすいことから、親御さんの不安(悶々とした苦悩や戸惑い)や子供への悪影響(強度行動障害などの二次障害)は比較的軽減されます。
 実際、脳の発達科学の観点からも療育(言語発達や社会性の向上を促す教育支援サービス)の開始時期は早いほど良いとされており、発達障害の緩和には早期発見が極めて重要と考えられています。

発達障害の診断に至った実例3選(虹色の朝陽さん・あっちゃんファミリーさん・我が家)

 それでは、我が家の例も含めて、幼少期に発達障害の診断結果に至った事例を3つ紹介します。


● 人気YouTuberの「虹色の朝陽」さんの事例

・家族構成:父・母・長男・二男・三男の5人家族
・発達障害の当事者
 三男(ASD+軽度知的障害)
・診断までの経緯
1歳: スーパーや公園で勝手にどこかに行く|バスや電車を座って待てない|公園で遊びの順番を待てない|指差しをしない|クレーン現象あり(親の手をとって物を指したり、取らせたりしようとする行為)|感覚過敏・聴覚過敏|著しい偏食|睡眠障害|自傷行為|他人への興味関心が薄い|

2歳(未就園児クラス): 言葉がでない|集団生活に馴染めない|他の園児と一緒に給食が食べられない|→ 市役所に相談したところ、臨床心理士から発達障害の可能性を指摘 → 児童発達支援所の紹介を受けて療育を開始

3歳(幼稚園):正式に発達検査を受けて、医師により「ASD+軽度知的障害」と診断 → 療育手帳B2を取得

《引用元》
YouTube「【まとめ】自閉症スペクトラムと診断されるまで【赤ちゃん〜5歳】」虹色の朝陽=配信


● 人気YouTuberの「あっちゃんファミリー」さんの事例

・家族構成: 父・母・長女・二女の4人家族
・発達障害の当事者
 母(ADHD)
 長女(ASD+ADHD+聴覚過敏)
・診断までの経緯(長女のケース)
3歳(幼稚園年少):一人遊びが多く話しかけても反応がない → 幼稚園から発達障害の可能性を指摘された → 発達障害者支援センターに相談したが、過程での困り事がないことから「見守っていきましょう」ということになった

4歳(保育園年中):転園して友達ができたが、一斉指示が通じなかった|動作は遅れがちだが、みんなと一緒に踊れた|他人とのコミュニケーションにやや難があった|

5歳(保育園年長):個別指示を受けつつも運動会ではみんなと同じようにできた|先生との相性がよくお遊戯会の練習もできた|幼稚園での集団健診では発達に問題なしと診断された|体幹が弱く同じ姿勢を長く保てない|

6歳(小1):忘れ物・失くし物が多かった|疲れやすい|よくぶつかる・食べこぼしが多い・服を後ろ前に着てしまう|宿題をするのを忘れる|時間ないに課題を終わられることができない|

7歳(小2): 発達支援センターで知能検査(WISC-Ⅳ)を受けた結果、医療での診断までのは勧められなかった|先生の指示が理解できなことが増えた|多くの困り事がADHDの症状と酷似していた|聴覚過敏|

8歳(小3):医療機関にて「ASD+ADHD」と診断(聴覚過敏をともなう)

《引用元》
YouTube「【ADHD,ASDわかるまでまとめ】生まれてから小3で診断を受けるまでのこと」あっちゃんファミリー=配信


我が家の事例

・家族構成: 父・母・長男・長女の4人家族
・発達障害の当事者
 母(ASD+ADHD傾向)
 長男(ASD+ADHD+感覚過敏)
 長女(ASD)
・診断までの経緯(最も発達障害の症状が重い長男のケース)
3歳(幼稚園年少): 言葉の発達が遅い|転んだり、落ちたりすることが頻繁にある|勝手にどこかに行ってしまう|気に入らないことがあるとすぐに癇癪を起こす|

4歳(幼稚園年中):集団行動が苦手|すぐに手が出る|落ち着きがない(じっとしていないから家族写真がなかなか撮れない)→ このときに漸く「我が子の言動はちょっとおかしい・発達障害かもしれない」と感じました。

5歳(幼稚園年長):集団行動がほとんどできず、担当保育士と園長から発達障害の可能性を指摘される → 幼稚園から「こども発達支援センター」を紹介され、発達検査を受けた → 軽度の作業処理能力と社会性の欠如を指摘されたが、医療機関を受診するほどではないことから「しばらく様子を見ること」および「小学校への就学は通常学級で問題ない」と助言された

6歳(小1): 自分勝手な立ち振る舞いや動作の遅さはあったが、特段の問題はなし|家庭では妹との喧嘩が絶えなかった|母親の言うことをきかず、頻繁に怒られていた|

7歳(小2): 着替えが遅い|水泳が嫌で授業に参加できない|歩くのが遅く、通学時の登校班の上級生から暴力を受ける|約束や時間にルーズ|忘れ物が多い|カバンの中はいつもグチャグチャ|

8歳(小3): 授業を脱走する|児童に暴力をふるう|同級生から虐められる|学校から発達障害の可能性を指摘をされて、発達検査および知能検査を受けた → 医療機関の初受診から6カ月後にASD+ADHDと診断 → 療育手帳B2を取得|

⭐️ 息子の近況はこちら

ADHDの特性は「いつもカバンの中がグチャグチャ」イラスト画像

 以上のとおり、親御さんが「我が子は発達障害かも?」と疑いを持ってから発達障害の診断に至るまで、虹色の朝陽さんの場合は2年、あっちゃんファミリーさんの場合は5年、我が家の場合は3年が経過しています。

 虹色の朝陽のお母さん(きみかさん)は、YouTubeの中で「朝陽が2歳時に幼稚園から発達障害の疑いを指摘されたとき、わかってはいたけど受け入れられなくて夫に泣きながら伝えた」と当時を振り返っておられます。
 一方、あっちゃんファミリーのあっちゃんママは「娘が3歳の時に幼稚園から発達障害の疑いを指摘された後、眠れないくらい悩んだ」と語っておられます。さらに、ご自身がADHDであることにも触れ、「我が子に遺伝してしまったことについて申し訳ない」と感じておられます。

 我が家も同じく、1回目の発達検査の結果からは発達障害の診断確定には至らず、モヤモヤとした不安が数年も続きました。また、祖父母やご近所さんから「しつけができていない」「愛情が足りない」と指摘を受けて、子育てに苦慮しました。
 さらには、子育て方針についても夫婦間で摩擦があり、家族内の人間関係もよくありませんでした。

「我が子が発達障害かも?」と感じたら、親が最初にやるべきこと

 前説が長くなりましが、いよいよここからが本番です。このチャプターでは、「我が子の発達障害の疑いを持ったら親が最初にやるべきこと5つ」を要約しました。
 なお、本チャプターでは、発達障害の医学的診断が確定する前段階、つまり「我が子が発達障害かも? と感じてから実際に発達障害の診断を受けるまでの期間」に、まずは親がとるべき行動を5つに厳選して次のとおりまとめました。


発達障害の特性を正しく理解すること

家庭・学校(幼稚園・保育園)・ご近所さんとの関係性における「我が子の子育ての困り事」を整理すること

発達障害児の支援機関を調べること(できれば早めに相談すると良い)

子供と触れ合う時間を十分に確保すること(時短と在宅ワークをオススメ)

育児と家事において、父親はフィジカルとメンタルの両面で妻をサポートすること


 これら4つのうち、は最優先でやるべき課題です。多くの親御さんにとって、発達障害という言葉を聞いたことはあっても、発達障害の特性や子供の年齢にともなう発達基準などはご存じない方が多いと思いますから。

 まずは「発達障害特性とはなんぞや?」というところからしっかり勉強していただき、そのうえで我が子の特性に応じて②③④の課題を解決していくことが合理的です。
 なお、において緊急性が高い困りごと(例:自傷行為、家庭内暴力、激しい癇癪や多動など)については発達障害者支援センターまたは医療機関に速やかに相談して対処する必要があります。

 次のチャプターから、これら4つの重要ポイントについてぞれぞれ番号順に詳しく解説します。

① 発達障害の特性を正しく理解すること

 この数年、発達障害に関する情報は書籍のみならず、テレビ放映、YouTube、インスタグラム・ツイッターなどのSNSで溢れています。
 上述のとおり、発達障害児を持つ親御さんが自らの経験をオウンドメディアを通じて発信してる事例も増えてきました。

 そこで、多種多様な情報に触れることも大切なのですが、まずは「体系的に整理された情報を読み解く」ことが、発達障害の特性を正しく理解するうえで最も重要です。
 とのときに気を付ける点は、発達障害児の年齢(1〜3歳・4〜5歳・小学生・中学生・高校生・成人)によって発達障害の特性や症状が異なることです。

 ですから、まずは我が子の年齢に合致した発達特性に関連する有益情報を集めると良いです。
 具体的には、「臨床経験が豊富な医師または現場の教育指導専門家が著作者になっている書籍」または「精神科医・臨床心理士・言語聴覚士・理学療法士など専門家または専門機関が発信するYouTube」です。その一例を次のとおり紹介します。

● 書籍

書籍「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(幼児編)」の表紙の画像
単行本「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(幼児編)」岡田俊1(精神科医・医学博士)=著
書籍「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(小学生編)」の表紙の画像
単行本「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(小学生編)」岡田俊1(精神科医・医学博士)=著
⭐️ 上記2冊のBOOKセットは2022年4月1日新版発行ですから、最新情報が掲載されています。発達障害児の特性・子供ケア・家族サポートの3本柱が幼児と小学生に分けて編集されています。

「0歳から6歳 子どもの発達と保育の本」表紙の画像
単行本「0歳から6歳 子どもの発達と保育の本」河原紀子2(臨床発達心理士)=監修・執筆
⭐️ 子供の定型発達の基準が年齢別にわかりやすく整理された本です。乳幼児健診の保健所用アンケート用紙も掲載

文庫本 「子どもの発達障害  子育てで子育てで大切なこと、やってはいけないこと」本田秀夫=著  本の表紙画像
文庫本「子どもの発達障害 子育てで子育てで大切なこと、やってはいけないこと」 本田秀夫3(精神科医・医学博士)=著
⭐️ 関連投稿記事 2022年3月2日配信「父親は障害児のピエロになれ!」

単行本「発達障害の子の保育 さいしょの一冊」上野一彦4(特別支援教育士スーパーバイザー)=著
単行本「発達障害の子の保育 さいしょの一冊」上野一彦4(特別支援教育士スーパーバイザー)=著
⭐️ 発達障害の特性とその対応策が対になって2ページごとに整理されているので、とてもわかりやすい。タイトルどおり、読むべき「さいしょの一冊」です。

● YouTube

・動画「【子供の発達障害】アスペルガー症候群・自閉症(自閉症スペクトラム)のサイン」ココロのちからCH=配信

・動画「【発達障害】ADHD注意欠如・多動性障害の子供の特徴25行動編」ココロのちからCH=配信

・動画「令和2年度発達障害者支援事業「ぽぽむ」講演会 「改めて『発達障がい」とは何か考える」調布市社会福祉協議会(演者:信州大学 医学部 教授 本田秀夫/精神科医)=配信

 書籍や動画の見方としては、「発達障害の特性と健常者(定形発達という)の特性との違い」を意識して勉強してください。
 なお、発達障害についてあまり馴染みがないという方は、まずはYouTubeの動画を見ていただいてから、より詳細を学ために書籍を利用していただくとより効率的です。

マメタ父さん
マメタ父さん
ネットで検索した断片的な情報を鵜呑みにすることは危険ですよ。オススメは発達障害の特性について体系的に書かれた初心者向けの本を2−3冊読むことです。

● 音声配信(ラジオ)

Voicy「子ども発達相談室」 伊藤真穂&浜田悦子=講師

● 通信教育

生涯学習のユーキャン「子ども発達障がい支援アドバイザー(民間資格)」

 発達障害児の療育やトラブル対応に関する基礎と実務を網羅的に学べます。テキストが非常にわかりやすく、受講期間は3カ月です。昨年度、私自身も受講して2カ月ほどで資格を取得できました。

② 「子育てに関する困り事」を整理すること

 やるべきことの2つ目は、次の3つの側面(我が子が置かれている環境)から「子供が困っていること」と「親が困っていること」に分けて整理することです。


家庭
ご近所さん・クラブ活動・お習い事
保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校


● 上記の「家庭」について解説

 家庭内での子供の様子をよく観察して、子供の発達のレベルや特性を健常者(定形発達)と比較していきます。
 幼児の場合ですと、「発語の時期や言葉の程度」「視線が合わない」「感覚過敏」などが挙げられます。一方、小学生であれば、「著しく落ち着きがない」「こだわりが強い」「挨拶ができない」などです。

マメタ父さん
マメタ父さん
事前に発達障害特性をしっかり勉強しておくと、的確に問題点を発見できるようになりますよ!この時、大切なことは、夫婦間でよく話し合って収集した情報を互いに認識一致することです(これはマジで超重要)。

● 上記の「ご近所さん・クラブ活動・お習い事」について解説

 幼稚園児や小学生であれば、放課後や休日に近所のお友達と遊ぶことが多いと思います。その時に、我が子のお友達のママさんに我が子の言動についてこまめに聞き取りをすることは有効です。
 この時、頻繁に喧嘩やトラブルあるいは不自然な言動(例:おもちゃを独り占めする・順番を守れない・すぐに手が出る・いつも一人で遊んでいる・いじめられる)があるようですと、社会性に問題がある可能性があります。

 あるいは、お子さん自身がお隣さんから漏れる話し声・乳幼児の泣き声・テレビの音に対して著しい不快感や怒りを示したり癇癪を起こすようなことがあれば、聴覚過敏やADHDの可能性があります(詳細は2022年5月15日投稿記事「発達障害児がご近所さんから被る迷惑の事例4選とその対処法」を参照ください)。

 また、ダンスやサッカーなどスポーツクラブ活動やピアノなどのお習い事をされているお子様の場合、コーチや先生から「我が子の学びに対する態度」を聞いてみると有益な情報が得られることがあります。
 特に、子供の集中力・協調運動性・集団の中での協調性などを評価するうえで、役立ちます。

● 上記の「保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校」について解説

 子供が通う保育園・幼稚園の保育士または小学校・中学校・高校の担任教師と面会して、我が子の特性(長所と短所)やユニークな言動を聞き取り調査することです。

 この時、親御さんが「我が子は発達障害かもしれない?」と感じていることを事前に担任に告知してください。担任が発達障害に理解の深い先生であれば、それだけより的確で有益な情報が収集できるからです。

 親御さんにとっては、我が子と他の子を比較して相対的な特性の違いを調べることが重要です。例えば、「よく忘れ物をする」「お友達と喧嘩が絶えない」「授業中でも席を立つことがある」「興味がない科目は上の空で外を眺めている」などです。
 中でも、エピソードは重要です。例えば「チャイムがなって授業が始まってもその子だけが教室に戻ってこないと思ったら、一人で砂場で遊んでいた」などの行動が複数回あるようなら、ASDの可能性があります。

 ちなみに、発達障害の傾向が強い場合は、学校の方から親御さんが呼び出されます。その機会を逃さずに、園または学校としっかりコミュニケーションをとってください。

マメタ父さん
マメタ父さん
3つのポイントを述べましたが、その中でも担任の先生の意見は最も重要です。なぜなら、発達障害についてある程度の知識や経験を有する専門家の指摘ですから、信頼度は高いですね。

● 我が子が辛い思いをしている場面を発見したとき

 なお、上記①②③のいずれの場合においても、我が子が辛い思いをしている場面(例:勉強についていけない、いじめ、騒音、担任の先生が発達障害の理解が薄い)を発見したときは、早急に対処することが重要です。そのためには、我が子の声をしっかり聴き取ることが必須です。

 まずはシンプルに「学校は楽しいか?」「仲の良いお友達はいるか?」「先生は好きか?」など我が子に率直に尋ねてみると良いです。そして、困りごと情報を親子および夫婦間で共有しておくことも重要です。

 このような我が子を含めた家族の良好な関係づくりを怠ると、近い将来(数ヶ月〜数年後)、我が子が二次障害(うつ、暴力、自傷、他害、不眠、非行などの強度行動障害)を引き起こす可能性が高まるからです。

③ 発達障害児の支援機関を調べること

 さて、我が子が発達障害であると診断が確定したわけではありませんが、我が子が発達障害の特徴が見られる場合、どのような支援サービスや支援機関があるのかを知っておくことは非常に重要です。

 具体的な支援機関は次のとおりです。


市役所・区役所の児童福祉課: 子供の発達障害に関する検査機関の紹介・療育手帳の取得方法・特児手当ての手続きなどに関する問い合わせに対応しています。

保健センター: 1歳半・3歳・5歳児の健診の実施、保健師が乳幼児の発達の遅れに関する相談を受付ています。

発達障害者支援センター(こども発達支援センターや児童相談所も含む): 臨床心理士が常駐し、発達検査や知能検査を実施、発達障害に関する様々な相談に対応しています。

④ 療育施設: それぞれの発達障害児の特性に応じて、ゲーム・運動(感覚統合療法)・読み書き(言語療法)・計算や積み木などのレクレーション(作業療法)を通じて生活力や社会性を身につけるための支援をします。公的機関(療育園・療育センター)と民間の療育施設があります。

放課後等デイサービス: 6〜18歳の障害児が放課後に利用できる福祉サービスで、興味がある学習やレクレーションを楽しむことができます。

特別支援学級: 小学校・中学校に設置されている「障害のある児童生徒を対象にした少人数の学級」です。 障害の種類と程度に応じて、情緒クラスと知的クラスに分かれていることが多いです。

学童保育: 小学校において共働き世帯や一人親世帯の児童が、放課後や夏休みに家庭で過ごす時間と同じような時間を過ごせる場所を提供してます。

医療機関(児童精神科・心療内科): 発達障害に関する正式な診断を受けるためには、医療機関を受信する必要があります。

デイケア: 障害のある方が、復学や就労を目的として、グループ活動として訓練や運動などを実施する通所施設です。


 これらは、我が子の発達障害の可能性を調べていくプロセスの中で、正式な診断がなくても利用可能な発達支援サービスです。
 その中でも、学校外の支援機関としてまず知っていただきたい施設は、保健センター(主に乳幼児)、発達障害者支援センター(地域によって名称は異なりますが、児童専門機関としては、こども発達支援センター児童相談所が担っているケースがあります)、療育施設放課後等デイサービス施設です。なぜなら、実際に多くの発達障害児が利用しており、有益な支援サービスとして実績があるからです。


 まずは、ご自宅から最寄の支援機関を調べてください。「我が子の発達の遅れについてどうして良いか全くわからない」という親御さんは、市役所の児童福祉課に相談すると丁寧に紹介してくれます。内容によっては、専門の相談員が対応してくれるところもあります。

 保育園・幼稚園・小学校に相談こともできます。必要に応じて、適切な支援機関を紹介してもらえます。
 保育士や担任教師が発達障害に精通している場合、保育施設や学校での子供の言動も加味したうえで、有益な助言をしてくれます。

 とりあえず、相談するだけでもよいので、連絡をとって担当者との関係性を作っておくと、いざというときの対応がしやすくなります。

 一方、発達検査を受けた結果として発達障害の程度が軽く診断には至らなかった子供たち(いわゆる発達障害グレーゾーン)は、特別支援学級へは入らずに通常学級で授業を受けながら療育放課後等デイサービスなどに参加して発達支援を受けることができます。
 なお、発達障害児は学童保育にも参加することができますが、支援サービスの内容は基本的に定型発達児(健常者)と大きく変わりません。要するに、発達障害児に特化した専門サービスではありません。

 親御さんは、学校以外での過ごし方のひとつとして外部の支援サービスや法的制度を知っておくと教育の選択肢が広がりますし、難儀や困りごとや問題が起きたときに迅速な対応ができます。

 そして、最も重要なことは、次の2つです。


・ 自分一人で悩まずに家族(特に夫婦間)で話し合って、夫婦双方が互いに子供の特性について認識一致すること(シングルマザー・ファーザーの方は、実のご両親・ご兄弟あるいは仲の良いママ友達に打ち明けることを検討すると良いと思います)。

・なにはともあれ、上述の外部関係者(幼稚園・保育園・小学校・保健センター・こども発達支援センター・医療機関など)に躊躇せずに早めに相談すること

マメタ父さん
マメタ父さん
お子さんが3歳以下なら保健センターの保健師に、4歳以上なら通っている幼稚園・保育園・小学校の担任に相談するのが最も手っ取り早くて無難ですよ! まずは、問い合わせてみることが第一歩です。 その上で、できれば、発達支援センターなどの専門機関に相談できるとベターです。全く利害関係がない「公共の第三者機関」なので中立的且つ客観的な助言がもらえますよ!

④ 子供と触れ合う時間を十分に確保すること(ワークライフバランス調整と在宅ワークをオススメ)

 我が子が発達障害である可能性がある場合、まずは子供としっかり向き合うことが必要です。
 そして、診断が確定していない段階では、我が子の特性を正確に理解するために定期的に我が子の言動を観察しなければなりません。

 そのためには、当然のことながら、子供と触れ合う時間を今以上に捻出することが必須となります。そのための具体策は次の2つです。


仕事の時間を調整
自分時間の調整(細切れ時間をうまく利用)

● 上記:仕事時間の調整について → ワーママさんは在宅ワークがベスト

 父親は残業・出張・休日出勤を減らす努力をしましょう。特に、土日祝日は完全休日にすることを強くお勧めします。
 そして、子供が幼少であれば、親子で遊ぶ時間や家族でお出かけする時間は少なくとも週に合計8時間以上が望ましいです。もちろん、朝食を子供と一緒にとるなど平日に子供と会話する時間が確保できるとベターです。

マメタ父さん
マメタ父さん
ちなみに、男親の方におかれましては、飲み会や会社のイベント(運動会・忘年会・新年会・社員旅行など)も多いと思いますが、会社関係者とのお付き合いにおいては3〜5回に1回くらいは思い切って断って自分の時間を確保しましょう。これもワークライフバランスの一環ですよ!

 

 一方、ワーママさんの場合、子育てや家事と仕事の両立が必須ですので、できれば仕事時間を短縮することが望ましいです。
 大企業にお勤めであれば、子育て支援のための福利厚生や働き方の選択(例:フレックス・16時での時短労働・週休3日制など)ができることがありますが、中小企業ではなかなかそうはいきません。
 ワ―ママさんがキャリア志向であったり、大規模なプロジェクトの管理職であれば、仕事時間を短縮することは現実的には難しいかもしれません。

 このようなワークライフバランス調整の問題を解決する方法としては、在宅ワークへの転身です。
 在宅ワークなら、通勤時間も節約できて且つ労働時間管理が個人に委ねられていますので、発達障害児の子育てには非常に有利です。しかも、出勤支度や通勤に要していた時間が不要となりますので、その時間を育児・家事・仕事に転用できるメリットがあります。

マメタ父さん
マメタ父さん
在宅ワークは、ワーママさんにとってお化粧や着替えの準備・往復の通勤時間がまるまる自由に使えて、会社の都合に縛られない時間管理ができるという利点はとてつもなく大きいですよね。
在宅ワークのイメージ画像「机上のパソコンとITガジェット」のイラスト

● 上記:自分時間の調整

 ご両親ともに休日は「のんびりしたい」「疲れをとりたい」「ゆっくり寝たい」「趣味に没頭したい」などのお気持ちはよくわかりますが、これまで自分に使っていた時間のいくらかでも子供や家族のために時間を融通しましょう。

 ただし、睡眠を削るのは健康に悪影響がありますので、好ましくありません。趣味の時間や娯楽の時間をちょこちょこカットするだけでも効果的です。
 たとえば、SNSに費やす時間、テレビ・ネットフリックス・YouTube など動画視聴時間を意識して少しカットするだけでも1週間で数時間以上の時間を捻出できるのではないでしょうか?

● 我が子の言動をよく観察することが重要

 そもそも我が子と触れ合う時間を捻出するだけでは意味がありません。我が子と一緒にいる時間を増やすことで、我が子との会話や遊びが増えます。
 その間に、我が子の言動を客観的に俯瞰的に観察することによって、我が子の特性をとらえていくことができます。

 そして、我が子の特性や言動について、定期的に夫婦間で情報共有することがたいせつです。このとき、家庭内での出来事のみならず、我が子の学校での様子、発達障害支援サービスに関する情報などについても夫婦間で認識一致できればベターです。

マメタ父さん
マメタ父さん
発達障害の子供を見守るうえで、毎週の決まった日(例:土曜日の23時から30分)に夫婦だけの会話タイムみたいな時間をルーティン化したら、意外にも「夫婦関係が良好になった」なんて話を聞いたことがあります。

 さらに、この間に最も重要なことは、良好な親子関係を築くことです。そのコツは「子供がお父さんやお母さんと一緒にいると楽しい!」と感じられるような関係性です。
 もちろん、社会のルールや礼儀などをしつけることも大事ですが(特に子供にASD傾向があるとなかなか難しい)、その時にも決して対立関係を作らないように気をつけながら、子供に無理強いしないことが重要です。

⑤ 育児と家事において、父親はフィジカルとメンタルの両面で妻をサポートすること

 ワ―ママにとっては、子育て・家事・仕事をうまく調整する必要がありますが、実際はてんやわんやの毎日になるだろうと思います。
 主婦の場合は仕事がない分だけ余裕があるように思えますが、発達障害の傾向がある子供の世話はかなり手がかかりますし、やはりたいへんな重労働だろうと察します。

「家事・育児・仕事の両立を目指すワーママ」 イラスト画像

 このような状況が続くと、子供の発達の遅れに対する不安と相まってメンタルに支障をきたす可能性もあります。実際、我が子の発達の遅れを確信したときや幼稚園から発達障害の可能性を指摘されたときは、予想していたとはいえ、ショックで頭が真っ白になります

 そんな状況ですから、ママさんが子育てや家事をこなすうえで、旦那さんの手伝いや精神的なサポートが必須です。
 上述のような発達障害に関する相談で保育園・幼稚園・学校・発達支援センター・保健センターなどに伺うときはできるだけ夫婦同伴で行ってください

  その他、子供が乳幼児の場合はなかなか男親ができることは限られてますが、例えば子供をお風呂に入れたり、洗い物・掃除・洗濯などの家事を手伝ってあげることもできますよね。

マメタ父さん
マメタ父さん
旦那さんが妻にしてあげれることの中で最も重要視してほしいことは、「妻の話をしっかり聴いてあげる」ことです。それが愚痴であっても、多少のわがままであっても、「うんうん」と頷きながら肯定してあげるといいですよ!

 ちなみに、発達障害の疑いのある子供に小学校高学年以上の兄弟姉妹(きょうだい児)がいる場合には、彼らにある程度の範囲で状況説明をしておいた方が兄弟姉妹間のトラブルや不公平感は少なくなります
 場合によっては、発達障害児の世話を兄弟姉妹に協力してもらえる家族体制をつくることも有効な支援方法です。

 もし、ある程度の経済的余裕があるのであれば、家事代行サービスを利用することも効果的です。
 例えば、夫婦共稼ぎの場合、炊事・洗濯・掃除・ペットの世話などを部分的に外注して、都合の良い日時にお手伝いさんにサポートしてもらうことをルーティン化すると、結果的に家事以外の諸々も含めて家庭内の歯車がうまく回っていきます。

参考情報

● オススメ書籍と通信教育の紹介

1:岡田尊(精神科医・医学博士・京都大学 医学部付属病院 精神科神経科 助教授)
・書籍「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(幼児編)」
・書籍「発達障害のある子と家族によりそう安心サポートBOOK(小学生編)」
⭐️ 上記2冊のBOOKセットは2022年4月1日新版発行ですから、最新情報が掲載されています。発達障害児の特性・子供ケア・家族サポートの3本柱が幼児と小学生に分けて編集されています。

2:河原紀子(臨床発達心理士・教育学博士・共立女子大学 家政学部 児童学科 教授)
・書籍「0歳から6歳 子どもの発達と保育の本」」
⭐️ 子供の定型発達の基準が年齢別にわかりやすく整理された本です。乳幼児健診の保健所用アンケート用紙も掲載

3:本田秀夫(精神科医・医学博士・信州大学 医学部 教授)
・書籍「子どもの発達障害 子育てで子育てで大切なこと、やってはいけないこと」
⭐️ 関連投稿記事「父親は障害児のピエロになれ!」2022年3月2日配信

4:上野一彦(特別支援教育士スーパーバイザー・東京学芸大学 名誉教授)
・書籍「発達障害の子の保育 さいしょの一冊」
⭐️ 発達障害の特性とその対応策が対になって2ページごとに整理されているので、とてもわかりやすい。タイトルどおり、読むべき「さいしょの一冊」です。

5:通信教育
・生涯学習のユーキャン「子ども発達障がい支援アドバイザー(民間資格)」

●【まとめ記事】学校教育(特別支援)と家庭知育(習い事・資格)

●【まとめ記事】子育て/家事/仕事の両立

●【まとめ記事】発達障害者の学歴とキャリアの成功事例

●【まとめ記事】発達障害者(知的障害を含む)のご家族の学歴とキャリアの成功事例

●【まとめ記事】発達障害に関する参考コンテンツ(書籍・動画・芸術・報道)

⭐️ 本ページで紹介する物品またはサービスの品名(青字で表記)がその販売会社のサイトにリンクしていることがありますが、アフィリエイト広告は設定していませんのでご安心ください。

以上

2022年6月15日

マメタ父さん