ショートショート

マメタ息子(ADHD)が5歳のときに創作した ”怪奇絵本”

記事サムネイル:「5歳のチビ絵本作家誕生」

はじめに

 息子が5歳のときに創作した ”怪奇絵本” を古い収納庫から発見しました。題名は「どらやき10000万円」です。私が誤字修正と主語補足以外はほぼ手を加えずそのまま書き起こしました。

 今回の投稿記事は私の創作品ではありませんが、第6作として「2009年に息子が創作したショートショート」を発表します。

マメタ父さん
マメタ父さん
ショートショートと言えるレベルではないよね。ほぼ、コント?

 息子直筆の文章と挿絵も掲載しています。サムネイルはマメタ息子が5歳の時の本人写真です。よろしければ、読んでください。


《創作ショートショートのテーマ》 

 辛い毎日から逃れるために、思考と感情のバランス調整の一環として掌編小説(ショートショート)の創作を始めました。

 子供の世界と大人の世界とが不連続に融合する「奇妙で切ない不条理の世界」が主題です。具体的には、発達障害者生きづらさを感じている人々世の中の差別や偏見に苦しんでいる人々が登場する物語が多いです。

 およそ2,000文字から10,000文字の範囲で創作していますので、5−10分くらいで読めます。

創作絵本 ”どらやき10000万円” の本文の書き起こし

怖い夜、ある村に真夜中にしか見れない学校があった。
そこに入ると閉じ込められて、二度と出ることができない。
でも、入った人はいっぱいいる。

一人だけ助かった人がいる。
それはイギリスの人みたいだったらしい。
だが、調べた結果、その人はカッパに化けるらしい。
警察にとっても手強い相手だ。

カッパは川の深いところに隠れていて、ワニを食べて生きているらしい。
しかし、隠れるのも名人で、しかも逃げるのが速い。
時速300キロくらいの速さだ。
警察が捕まえようとしても、一回も捕まえたことがない。

一度、中学生が見かけたことがあるらしい。
そのことを知っているのは2人だけ。
そして、やがて警察もカッパを発見したが、やはり逃げられてしまった。

やがて、カッパの結婚式が始まった。
そして、警察は困り果て、その日は眠りにつけなかった。

次の日、カッパが赤ちゃんを産んで、すぐ殺してしまった。
また、次の日もカッパは赤ちゃんを産んで、悪いものを食べさせた。
血のスープにドクロの骨を入れて、できあがった。

人間の骨と肉を食べさせた。

終わり

2009年 作成

マメタ息子(5歳)

“どらやき10000万円(表紙&挿絵付き)” の原画4枚

どらやき10000万円の原画 1/4 (表紙)

どらやき10000万円の原画 2/4(挿絵:学校)

どらやき10000万円の原画 3/4(挿絵:カッパ)

どらやき10000万円の原画 4/4(挿絵:ドクロ)

編集後記

 物語の展開は支離滅裂ですが、どこかユーモアがあって笑えますよね。親バカかもしれませんが、それなりに起承転結になっているところが”才能あり”です。

マメタ父さん
マメタ父さん
内容がグロテスクで、「血、骨、肉、殺す・・・」などのネガティブワードが入り混じっていたので、当時の私は「息子の心の状態が普通ではないのかも?」とちょっと心配しました。

 当時に流行っていた”怪談レストラン”の物語設定とテレビ放映された”日本むかしばなし”のカッパの話(題名は忘れましたが、悪戯ばかりしていたカッパが村人に捕まって殺されると日照り続きの村に雨が降るお話)をパクって、そこからイメージして創ったのではないかと思います。

 ちなみに、題名の「どらやき10000万円」は物語の内容と全く関連性がないように思えますよね。
 その背景としては、当時、息子がドラえもんをテレビで見ていて、ドラえもんの大好物 ”どら焼き”を気に入っていたことと関連しています。

 ちなみに、2022年1月20日に岡山旅行に行った息子からのお土産も「どら焼き」でした。

マメタ父さん
マメタ父さん
あれから13年以上経った今でも、息子はどら焼きが大好きです!

 最後に、当時から気になっていたことが現実化したお話を告白します。この物語の内容がグロテスクで、「血、骨、肉、殺す・・・」などのネガティブワードが入り混じっていたので、当時の私は「息子の心の状態が普通ではないのかも?」とちょっと心配しました。

 その後、息子は7歳くらいから自発的に方眼紙に動物や怪獣を描くようになっていました。その中にはちょっとおどおどしく感じるイラストもありました。

 そして、息子は8歳で広汎性発達障害(ADHDとASDの両方の特性を含む)と診断されました。
 10歳になると強度行動障害を発症し、家庭内暴力へと発展していきました。もちろん、息子の美的感性と病気との因果関係は定かではありません。

 一方で、絵を描いているときの息子の情緒は総じて穏やかでした。もしかすると、絵を描くことが息子の精神安定に役立っているのではないかと考えるようになりました。

 私はこの経験がきっかけとなり、アートセラピーに興味を持つようになりました。そして、今年3月にアートセラピストの民間資格を取得することができました(詳細は別の記事でご紹介予定です)。皆さんにもおすすめします。

参考情報

●【投稿記事】【エドワード・ゴーリー】”うろんな客”は発達障害がテーマの絵本? 2022年7月11日 投稿

●【投稿記事】絵本「モチモチの木」の主人公 ”豆太” は発達障害? 2022年2月12日 投稿

●【投稿記事】創作詩「発達遺伝の妙」2024年9月16日 投稿

●【まとめ記事】発達障害者の学歴とキャリアの成功事例

●【まとめ記事】発達障害者(知的障害を含む)のご家族の学歴とキャリアの成功事例

以上

2022年2月12日

マメタ父さん