ショートショート

創作詩5: ぞうさんの歌

創作詩「ぞうさんの歌」のサムネイル画像

はじめに

本投稿では、ショートショート 第11作 「創作詩 ”ぞうさんの歌” 」を発表します。

 ADHDおよびASDの息子の問題行動の対応協議のため、小学校から呼び出しを受けることも少なくありませんでした。
 特にいじめや脱走の問題が深刻でしたが、抜本的な解決策を見出すことができないまま苦悩する日々が続きました。


《創作ショートショートのテーマ》 

 辛い毎日から逃れるために、思考と感情のバランス調整の一環として詩や掌編小説(ショートショート)の創作を始めました。

「発達障害児の世界」と「健常の大人の世界」とが不連続に交錯融合する「奇妙で切ない不条理の世界」が主題です。具体的には、発達障害者・精神障害者・生きづらさを感じている人々・世の中の偏見や差別に苦しんでいる人々が登場する物語です。

 携帯電話の画面で詩をご覧の方は、携帯電話を横向きにしていただくと詩の各文が改行しませんので、より読みやすくなります。できましたら、パソコンの画面でご覧ください。各連および各行のレイアウトの美しさを味わうことができます。

本編: ぞうさんの歌


多動の子がまた問題を起こした。

学校から呼び出された帰りみち、
ぞうさんの歌が流れてきた。

・ぞうさん
・ぞうさん
・おはなが ながいのね
・そうよ
・かあさんも ながいのよ

「この子を命がけで守れるのは私しかいない」と、
覚悟した。

おわり

*脚注: 歌曲「ぞうさん」 まど・みちお=作詞 團伊玖磨=作曲

創作詩「ぞうさんの歌」のイメージ挿入画像 ”象の親子のイラスト”.JPG

編集後記

 歌曲「ぞうさん」について、作詞した”まど・みちお”は「詩や歌詞は後からいろいろ理屈がつくものですが、私は何かを深く考えた訳ではなく、あえて言うなら、誰もが喜ぶようにと思って書いただけです」とコメントしています。
 この作品には次のとおり2番があります(下記書籍より引用)。象の親子の微笑ましい姿が自然と浮かんできますね。

ぞうさん
ぞうさん
だれが すきなの
そうよ
かあさんが すきなのよ

 まどを取材して伝記小説「まどさん」を著した作家”坂田寛夫”曰く、「彼の作品にはどれも、内側からにじみ出てくるような優しさがあるんです。かつて、周囲から神様とあだ名を付けられたほどの善人ぶりが反映されているのでしょうね」とのこと。

文庫本「唱歌・童謡・ものがたり」読売新聞文化部=著 本の表紙画像
文庫本「唱歌・童謡・ものがたり」読売新聞文化部=著 本の表紙画像

 

参考情報

●【まとめ記事】その他のショートショート(詩または掌編小説)

●【まとめ記事】マメタ家の紹介と近況報告

●【まとめ記事】毎日が辛い当事者へ

以上

2024年8月28日

香月 融